シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは本日、スタンダードセル、メモリ、IPブロックなど、あらゆる種類の設計IPの品質を包括的に保証する自動サインオフ・ソリューションとなるSolido™ IP Validation Suiteを発表しました。この新しいソリューションは、IPのすべての設計ビューとフォーマットに対する完全な品質保証（QA） カバレッジに加え、バージョン比較によるIP認証が達成されるため、IPをフルチップに統合するサイクルの見通しを改善し、市場投入時間（Time-to-Market）を短縮します。
次世代の半導体設計においては、IPの再利用とモジュール化が品質向上と工期短縮に効果的であることから、市販の設計IPの統合が今後も増加すると予想されます。シリコン完動を達成するには、すべてのIPが正しく、かつ一貫性が取れていることを設計早期に検証しなければなりません。終盤になって問題が発見されると、コストのかさむテープアウトのやり直しやシリコンンのリスピンといった結果につながるからです。
設計IPは、論理、物理、電気、タイミング、パワー解析といった複数の設計ビューで表現されます。しかし、これらのすべてのビューとフォーマットにおいてIPを徹底検証するには膨大な時間が消費され、製造スケジュールの大幅な遅延を招きかねません。
Solido IP Validation Suiteは、包括的かつカスタマイズ可能な自動IP検証機能を製造チームと統合チームに提供することで、このような遅延を最小限に抑えます。このソフトウェア・スイートには、シーメンスのSolido™ Crosscheck™とSolido™ Ipdelta™が含まれています。両ソフトウェアは、あらゆる種類の設計IPと機能IPに対する包括的なIP QAチェック機能セットを提供し、インビュー、クロスビュー、バージョン比較のQAチェックを合理化されたソリューションに組み込みます。Solido IP Validation Suiteは、IPデータ再利用のためのスマート解析、自動的な変更識別とQAレポートの統合のためのAdditive IP QA、シーメンスのCalibre®プラットフォームなどの業界をリードする検証プラットフォームとのシームレスな統合などの高度な機能により、IP製造チームと統合チームに迅速でフルフローのカバレッジQAを提供します。
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアでカスタムIC検証部門のバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるAmit Guptaは次のように述べています。「半導体設計における設計IPの重要性が増すなかで、効率的で高精度のIP検証はシリコンの成功に不可欠な重要なステップとなっています。Solido IP Validation Suiteは、スケーラブルで再現性に優れたソリューションを提供することで、設計を破綻させる問題を特定、防止し、すべてのイタレーションで高品質のIPを製造できるようにIP製造チームを支援するとともに、完全認証済みの統合しやすい設計IPが短期間でテープアウトを達成できるようにチップレベル設計チームをサポートします。」
シーメンスの新しいSolido IP Validation Suiteの詳細と、このソリューションが顧客に最高品質のIPを提供するためにどのように役立つのかについては、https://eda.sw.siemens.com/en-US/ic/solido/をご覧ください。
採用顧客からのコメント
ルネサスエレクトロニクス株式会社、EDA技術開発統括部、デジタルバックエンド設計技術部、主任技師を務める片山 修司氏は、次のようにコメントを寄せています。「ルネサスのメモリIPは、幅広い動作条件をサポートしています。これらのメモリIPの信頼性を迅速かつ包括的に担保するため、当社の要件に合わせて簡単にカスタマイズできるSolido IP Validation Suiteを採用しました。当社独自にカスタマイズしたルールは、ルネサスのメモリIPの品質向上に大きな役割を果たしています。」
MaxLinearの設計オートメーション・エンジニアであるMing Fatt Yee氏は、次のようにコメントを寄せています。「Solido IP Validation Suiteは包括的なQAソリューションです。堅牢なクロスビュー・チェック機能によりQAが簡素化され、効率化されました。また、非常に使い勝手が良く、カスタマイズも簡単です。Solido IP Validation Suiteは、顧客に提供するライブラリに必要な精度と、MaxLinearのニーズに応じたカスタマイズのしやすさを兼ね備えています。」
Mixel, Inc.でCADマネージャーを務めるAmr Shehata氏は、次のようにコメントを寄せています。「Solido IP Validation Suiteには製造実証済みの豊富な製造チェックセットが含まれており、当社のQAチームはこの機能を使用することで、より高いQAカバレッジとスケジュール短縮の両方を達成できました。このソリューションは今や、当社のQA手法に不可欠な要素となっており、差別化された最終製品を自信を持って速やかに出荷できます。」
Rivos Inc.でカスタム回路リード兼マネージャーを務めるHema Ramamurthy氏は、次のようにコメントを寄せています。「Solido Crosscheckは、包括的でカスタマイズ可能なIP検証チェックセットを活用することで、IPビュー間の完全なカバレッジと一貫性を確保します。Solido IP Validation SuiteはRivosのIP QA手法の中核的存在であり、IPの問題を早期に検出し、最終設計が最高のQA指標を満たすことを保証してくれます。」
Weebit NanoのR&D担当バイスプレジデントであるIlan Sever氏は、次のようにコメントを寄せています。「Solido IP Validation Suite の採用で、IP QA プロセスを大幅に加速できました。このソリューションにより、幅広いデザインビューの検証チェックをカバーする完全なIP QAフレームワークを、カスタマイズ可能で自動化されたフローで利用できるようになったのです。新しいWeebit ReRAM IPモジュールを市場投入するにあたり、成果物のQAを短期間で完了、出荷できることは、先端の半導体メモリ技術のプロバイダーである当社にとっては非常に重要です。」
