シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは本日、高精度で低消費電力の発振器用製品を専門とするファブレス半導体大手企業であるインターチップ株式会社(以下インターチップ)が、同社の最新IPV電圧制御水晶発振器(VCXO)用の集積回路(IC)およびIPS簡易パッケージ水晶発振器(SPXO)の検証に、シーメンスのAnalog FastSPICEとSymphony™の両プラットフォームを採用したことを発表しました。
シーメンスが提供する複数の先進的なアナログ/ミックスシグナルEDAソリューションは、インターチップが手掛ける最新VCXOのシミュレーションをシリコン精度で実行し、以前のソリューションと比較して3倍の速度での製品開発を実現しました。この検証サイクルの著しい高速化は、インターチップが掲げる精力的な市場投入期間の目標を成功裏に達成するうえで極めて重要であることが実証されました。
インターチップの高精度水晶発振器用ICは、コンピュータ、携帯電話、医療機器、産業機器など、幅広い製品に採用されています。
インターチップのCEOである有吉竜司氏は、「世界有数の民生、医療、産業OEMにサービスを提供する大手水晶発振器メーカーとして、高速、高精度、ワイドプルレンジの水晶発振器を提供するために、当社のチームは複雑なエンジニアリング障壁の打開に力を注いでおり、これまでにもリニアリティ、周波数プッシュ、ノイズ性能、経年劣化、消費電力といった複雑な設計上の課題克服に成功してきたと自負しています。シーメンスの Analog FastSPICEは、従来の SPICE シミュレータの 3 倍という驚異的なスピードで、ナノメータ、SPICE 精度の結果をもたらす性能から、インターチップにとって最高の選択となりました。さらにシーメンスの Symphonyによって、複雑なアナログとデジタルの相互作用と機能の検証に成功しました。」と、述べています。
シーメンスの Analog FastSPICEは、ナノメータ・アナログ、RF、ミックスシグナル、メモリ、カスタムデジタル回路の回路検証機能を提供します。このプラットフォームは、2nm までファウンドリに認証されており、パラレル SPICE シミュレータの 2 倍の速度でナノメータ・スケールの SPICE 精度を実現します。包括的なフルスペクトル・デバイスノイズ解析が含まれており、シリコン精度のキャラクタリゼーションの実現を支援します。さらに、シーメンスの Analog FastSPICE プラットフォームを搭載した Symphonyプラットフォームは、ユーザフレンドリなインターフェイス、堅牢なデバッグ機能、および包括的なコンフィギュレーション・サポートにより、複雑なナノメータ・スケールの IC に対して高速かつ高精度なミックスドシグナル検証を実現します。
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのカスタムIC検証事業部においてバイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャーを務めるアミット・グプタ(Amit Gupta)は、「高精度な水晶発振器は先進ICクロックシステムで重要な役割を果たし、現代の電子デバイスにとって不可欠な存在です。正確なタイミング、安定した周波数、信頼のおける性能は、さまざまなアプリケーションにおいて適切な動作、データ整合性、および全体のシステム効率を達成するためにも重要です。シーメンスのAnalog FastSPICEおよびSymphonyプラットフォームがインターチップの最新の高精度発振器デザインの開発と検証で重役を担えたことに喜びを感じています」と、述べています。
シーメンスのAnalog FastSPICEプラットフォームの詳細につきましては、こちらをご覧ください。またSymphoneyプラットフォームの詳細につきましては、こちらをご覧ください。