シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア (以下シーメンス) は本日、手作りエスプレッソ・マシンの世界的リーダー企業であるOlympia Expressが、世界的に有名な自社製品の設計と生産におけるデジタル・トランスフォーメーションに向け、Siemens Xcelerator製品ポートフォリオを使用していることを発表しました。Olympia Expressは95年以上にわたって、その精度で有名なスイスでエスプレッソ・マシンを設計、生産してきました。その堅牢性と長寿命には定評があり、世界最高と評されています。2011年にSchätti AG社がこのブランドを買収して以降、Olympia Express製品の設計と生産はスイスのグラルースで行われており、シーメンスのSolid Edge®ソフトウェアを使用してブランドの伝統を基盤としたイノベーションと市場開拓の新たな道を広げています。
Olympia Expressは、Solid Edgeを使用して革新的な新製品を設計するだけでなく、忠誠心の高い顧客が複数世代にわたって製品を使用できるように支援しています。 (出典:Olympia Express)
Olympia ExpressのCEOであるトーマス・シャッティ (Thomas Schätti) 氏は次のように述べています。「我々が会社を引き継いだとき、前オーナーは2Dで設計をしており、そのデータがとても役に立ちました。Siemens Xceleratorソフトウェア・ポートフォリオに切り替えることを決めたのは、当社が求めている精度と効率に見合っていたからです。Solid Edgeを使用することで、高精度の3Dモデルを作成でき、設計から製造までの生産プロセスの合理化により、時間とリソースを節約しながら最高の成果を上げることができます。マシンのすべてのパーツをSolid Edgeでモデリングし直し、新たなモデルとスペアパーツも作成しました。我々は新たなスタートを切り、完全なデータ・エンジニアリング・セットを構築しました。それ以来、さまざまな設計の反復とマシンの改良を行ってきました。」
Olympia ExpressのCEO、トーマス・シャッティ (Thomas Schätti) 氏 (出典:Olympia Express)
Solid Edgeを使った3Dモデリングの主な利点は、設計プロセスをスピードアップして物理的なプロトタイプの数を減らし、開発労力を50%削減して新たなイノベーション・プロジェクト向けにリソースを解放できることです。Olympia Expressのエンジニアリング・チームは、プロトタイプを簡単にモデリングして直ちに3Dプリントし、さまざまな素材のコンポーネントの感触を向上させることができます。さらに、Solid Edgeの板金設計および製造機能は、開発プロセスに非常に重要です。
エンジニアリング・チームは、Solid Edgeが備える可視化機能も社内コミュニケーションに使用しています。また、50年前のCreminaマシンは頻繁な補修が必要な場合、Solid Edgeの分解組立ビュー機能は基盤として役立ちます。エンジニアリング・チームは、これらの機能を使用して組み立てとサービスに関する文書を用意できるため、どのスペアパーツが必要であり、どのように交換するかを簡単に確認できます。
Olympia Expressは、設計データとエンジニアリング・データの管理にシーメンスの製品ライフサイクル管理ソフトウェアであるTeamcenter®を使用しています。これにより、エンジニアリング・データの改訂を安全に管理でき、効率的かつ管理された設計レビューが可能になります。 同社は、生産現場での高精度コンポーネントの製造準備にNX™ CAMソフトウェアも使用しています。シャッティ氏は次のように述べています。「優位性を高めるために、生産現場でNX CAMを使用することで最高水準の生産を保証し、コーヒーマシンのコンポーネントを優れた品質で生産できるようにしています。製品データの管理とチーム間のコラボレーションの強化にはTeamcenterを活用しており、ビンテージのOlympia Express用データを含むすべての設計データを一元的に維持しています」
伝統とイノベーションの融合
Olympia Express はSiemens Xcelerator製品ポートフォリオのソフトウェアを採用し、新たに発表されるMinaポータブルコーヒープレスなどの新しいイノベーションを創出しました。 (出典:Olympia Express)
Olympia ExpressブランドとそのCreminaエスプレッソ・マシンは、コーヒー好きのコミュニティでは伝説的なステータスを獲得しましたが、同社は名前と評判だけで満足しているわけではなく、熱湯とフレッシュな粉だけで高品質な飲み物を必要な場所で作ることができる新しいポータブルエスプレッソマシン「Mina」を、Solid Edgeを使用して開発しました。Solid Edgeの3Dモデリング・ツールにより、チームはその知識と3Dデータを効率的に再利用でき、同社にとって新たな製品カテゴリーとなる製品を生み出すことができました。これは、今月の「World of Coffee」で発表されます。
Olympia Expressの将来
Olympia Expressは、エクスプレス (特急) という名にもかかわらず、自らを「スローフード」革命に位置づけています。シャッティ氏は次のように述べています。「当社の製品は、プロ仕様のマシンの数分の一のサイズとコストのマシンで、イタリアのコーヒーバーと同品質のコーヒーを作ることができます。重要なのは、プロ仕様のマシンと同等の注意を払い、高品質な素材、丁寧な設計で製造することです。当社は、小さな永遠を求めてマシンを生産しています。マシンは複数世代にわたってお使いいただけるように設計、製造されており、最高のコーヒーを作る喜びをもたらすはずです。」同時にOlympia Expressは、Siemens Xceleratorを最大限活用して豊かな製品資産を維持するだけでなく、高品質なコーヒーを好きな場所で楽むという顧客からの期待に応えられる、革新的かつ複数世代にわたって使用できる持続可能な製品を市場に提供する方法も模索しています。
Siemens Xcelerator製品ポートフォリオの産業用ソフトウェア製品群が、あらゆる規模のイノベーターやパイオニアをどのように支援しているか、詳細については、こちらをご覧ください。