シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアは、電子部品・車載情報機器の製造大手であるアルプスアルパインが、機能安全規格に準拠した最新の静電容量検出ICの開発、検証に、シーメンスのミックスシグナル・アプリケーション向けプラットフォームSymphony™を使用したと発表しました。アルプスアルパインの最新の製品は、自動車やスマート・デバイスなどの要求の厳しいアプリケーションで、幅広いヒューマン・マシン・インターフェース (HMI) システムの近接、タッチ、空間ジェスチャーの検出を可能にします。
アルプスアルパインはシーメンスSymphonyプラットフォームを使用して、タッチ検出ICをシリコン精度のシミュレーションですばやく検証し、機能検証の生産性を5倍に向上させました。この検証サイクルの短縮により、顧客の市場投入期間の目標を短期間で達成できました。
アルプスアルパインのIC設計マネージャー、飯倉昭久氏は次のように語っています。「今回新たに開発したICは、絶対自己容量方式を採用し、圧倒的な高感度と耐ノイズ性能を実現しているのが特長です。車載電装部品メーカーである当社は、機能安全規格ISO 26262を遵守する必要があり、加えて使用する半導体は、厳しい自動車安全水準B (ASIL-B) 要件に準拠していなければなりません。シーメンスSymphonyプラットフォームは、製品の複雑なオペレーションや機能の設計、検証をすばやく成功へと導いてくれました。Symphonyプラットフォームは卓越した性能と使いやすいインターフェースが特長です。検証チームはSymphonyプラットフォームの導入を拡大し、その結果、チームの生産性は5倍に向上しました。」
アルプスアルパインは、半導体設計で20年以上の実績があり、その間に数十億個を量産してきました。
シーメンスAnalog FastSPICE (AFS) プラットフォームを活用したSymphonyプラットフォームは、ファウンドリ認証済みの回路シミュレーターと業界標準のHDLシミュレーターをシームレスに組み合わせ、複雑なナノメーター・スケールのミックスシグナルICを効率的かつ正確に検証します。そのモジュール設計はシーメンスAnalog FastSPICEプラットフォームを活用して、卓越したスピードと精度のミックスシグナル・シミュレーションを実現します。シーメンスQuesta™プラットフォームの機能検証エンジンなど、主要なデジタル・ソルバーとの互換性があるため、デバッグの生産性も改善します。
シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェアのバイス・プレジデント兼カスタムIC検証部門ジェネラル・マネージャーを務めるアミット・グプタは次のように述べています。「多くのHMIアプリケーションで、高感度の静電容量センシング技術の必要性が高まっています。アルプスアルパインの静電容量検出ソリューションのようなミックスシグナルのイノベーションは、この需要を満たすうえで不可欠です。アルプスアルパインの、機能安全規格に準拠した最新のミックスシグナル静電容量検出ICの開発で、シーメンスAnalog FastSPICEとSymphonyプラットフォームが重要な役割を果たしたことをうれしく思っています。」
シーメンスSymphonyプラットフォームの詳細は、https://eda.sw.siemens.com/en-US/ic/symphonyをご覧ください。シーメンスAnalog FastSPICE プラットフォームの詳細は、https://eda.sw.siemens.com/en-US/ic/analog-fastspice/をご覧ください。